今までUSB端子での給電といえばスマホやタブレットなど省電力のものが中心でした。
しかし最近、100Wまでの給電に対応した新たな規格である「USB PD(パワーデリバリー)」が誕生しました。
今回はUSB PDについてはもちろん、密接な関わりのあるUSB Type-Cについても詳しく解説していきます。
USB PDのポイント①100Wまでの給電対応
USB PDとは「USB Power Delivery」の略称です。
これまでUSBでの給電を行うためには、最大で4.5Wまでのデバイスしか対応できませんでした。
例外としてUSB BC1.2という充電器への給電のための規格がありますが、それでも7.5Wまでという限られたものです。
そのため、主にスマートフォンやタブレット端末をはじめとした比較的省電力のデバイスがUSB給電の中心となっていました。
しかし、USB PDは100Wまでの給電をサポートできる新たな規格で、これによって電源の確保の仕方が劇的に変わることになるのです。
USB PDのポイント②給電方向を変えられる
USB PDによってもたらされる恩恵として大きいのが、給電のための接続方法にあります。
例えば現在、パソコン本体にディスプレイやプリンタを接続するためには、それぞれの電源ケーブルを用意しなければなりません。
さらに、ディスプレイとパソコンを繋げるためのHDMIケーブルやプリンタとパソコンのUSBケーブルなど、デスク周りは配線が複雑に入り組んだ環境になります。
ところがUSB PDは、コンセントから電源を確保するのはディスプレイのみで、そこからパソコン→プリンタまではUSBケーブル1本で通信と給電を同時に行うことが可能になるのです。
これによってデスク周りの複雑な配線は大きく改善されることになります。
USB PDの普及に欠かせない規格「USB Type-C」
USB Type-CはMacBookにも搭載されていることでもおなじみですが、USB PDの普及においても欠かすことのできない重要な規格です。
USBという規格は、今やパソコン以外でもさまざまな家電製品に搭載されている最も身近な接続端子といえます。
これほど汎用性の高い端子は類を見ないものですが、USB Type-Cは今までのUSB端子と比べてサイズも小さくデバイスを問わず利用することができます。
そのため、USB PD対応の充電ケーブルはそのほとんどがUSB Type-C規格の端子で統一されていくと言われています。
必ずしもUSB Type-C=USB PD対応ではない
USB PDはDELL XPS13をはじめとした一部のノートパソコン等で対応が始まったばかりの新しい規格です。
そのため、USB Type-C端子だからといって必ずしもUSB PDへ対応しているということではありません。
そればかりか現在販売されているUSB PD対応のノートパソコンの一部には、サードパーティ製周辺機器との相性や安全性を優先した結果、あえて純正のACアダプタ以外では充電できない仕様のものまであります。
USB Type-Cのケーブル選びのポイント
次世代の規格で、今後さまざまなデバイスに対応していくUSB Type-C。
接続ケーブルを選ぶ際には、USB PDに対応したものを選ぶことが重要です。
デバイス側が対応しなければUSB PDの恩恵を受けることはできないという前提はありますが、接続ケーブル自体はさまざまなデバイスに利用できる汎用性の高いものです。
そのため、今後USB PD対応デバイスが増えてくることを考えると、USB Type-CのケーブルはUSB PDに対応したものを選んでおくことでより長く使うことができるでしょう。
USB Type-C対応のデバイスは今後どんどん増えていき、従来のUSB端子から切り替えが進んでいくことが予想されます。
同時にUSB PDという新しい規格によって、給電方法も今までにない便利なものになっていくと考えられます。
USB Type-Cのケーブルを選ぶ際には、ぜひ今回ご紹介した内容を参考にしてみてください。