ケースファンは、PC内の換気を行うためのもの。
他のパーツに比べてやや地味な存在ですが、ファンの不具合は騒音や内部パーツの劣化を早めるなど、いろいろなトラブルの原因になります。
こだわりのデスクトップPCを目指すなら、ケースファンも厳選したいもの。今回は、その仕事と選び方をご紹介します。
ケースファンって、どうしてあるの?
最近のPCには非常にパワフルなCPUやGPUが搭載されています。
またHDDやSDDなどのストレージも高速化して熱を発する傾向にあります。
PCのケースファンは、これらのパーツが出す熱をPCの外に出すために設置されるものです。
オフィスなどで使われる一般的なミニタワーサイズのPCでは、ケースの前と後ろにファンが装備されるのが普通です。
前のファンで外の空気をケース内に取り込み、後部のファンで熱を帯びた空気を外に排出します。
ゲーム用に作られた“ゲーミングPC”では、ケース上部やサイドに大型のファンを備えたものもあります。
このように複数のファンを装備しないと、CPUやGPUなどが出す熱を外に出せないほど、最近のPCは発熱量が多いということでもあります。
もちろん、CPUやグラフィックボードにも冷却ファンは設置されています。
しかし、これらのファンはCPUやGPUの熱をPCケースの外へは排出しません。
チップが発する熱をPCケース内に出すだけなので、PCケース内の換気が十分でないとCPUやGPUの冷却も十分に行えなくなってしまいます。
その意味で、ケースファンはとても重要なPCパーツなのです。
ケースファン周囲のホコリに注意!
多くのデスクトップPCには、複数のケースファンが装備されています。
また電源モジュールにもファンがありますから、PCの冷却はこれで十分と考えがちです。
しかしPCパーツである以上、ケースファンも使用時間に応じて徐々に劣化します。
またゴミやホコリの付着によって本来の性能を発揮できない状況に陥ることもあります。
このため、定期的にファンの状態を確認する必要があります。
特に注意したいのが、空気を取り込む前方のファン。
ケースデザインやエアフローのためか、多くの場合このファンはケース下方の見えにくい場所に装備されます。
このため、フロアや設置場所のホコリやゴミを吸い込みやすいのです。
たとえば毎日使うPCであれば、3ヶ月ほどでファンの周囲やフィンにホコリが付着するはずです。
これをそのままにすると、空気の取入口がふさがり、冷却効率が大きく落ちることにも。
つまり、定期的なお掃除が必要というわけです。
ケースファンのお掃除には、掃除機を使うのが簡単です。
掃除機のノズルを近づけるだけでもホコリはかなり吸い取れます。
負荷が減ってファンが静になることもあるので、定期的なお掃除がオススメです。
ケースファン選びのチェックポイント
他の多くのPCパーツ同様、ケースファンも日々進化をしています。
このためたとえばケースファンを新しいものに交換するだけで、PCの騒音は少なくなります。
またより効率的に換気ができるようになるのが普通です。
特に、高度な空力や力学を使って設計された最新のケースファンは非常に静か。
ノイズレベルが10dB(デシベル)ほどのものもありますから、静かなPC環境を実現したいのであれば、ここをチェックすると良いでしょう。
20dBが“木の葉の触れ合う音”程度の音とされていますから、10dBはほとんど聞こえないレベルとも考えられます。
ファンの性能としては、1分間に何立方フィートの空気を送れるかを示す“CFM”という単位にも注目すると良いでしょう。
この数値が大きい方が、より多くの空気をケース内に送る/吸い出すことが可能になります。
ちなみに、1CFMは約28.3リットルです。
50CFMの能力があるファンなら、1分間に1415リットルの風量を持つことになります。
ファンの静音性と送風性能は、トレードオフの関係にあります。
価格も含めて、ベストな製品を見つけるには、数多くの製品をチェックする必要があります。
ケースファンを交換するのに必要な知識とは
現在使っているPCケースのファンを交換するなら、次の点に注意する必要があります。
ひとつ目は、サイズが同じであること。
ケースファンにもいろいろなサイズがありますが、同じサイズでないと取り付けに苦労することになります。
また、現在使っているファンのフレーム部にリブがあるか無いかも確認すると良いでしょう。
リブはファンのフレームの表と裏をネジ部で繋ぐものですが、これがあるとファンの取り付けに長いネジが必要です。
ケースによっては、リブ無しのファンしか取り付けられないものもあります。
ふたつ目は、電源に関してです。
もしマザーボードにケースファンの回転を制御する機能があれば、それを利用することでファンを効率的に使うことが可能になります。
このようなファンは、電源にパルスセンサー付きの3ピンコネクタを使用します。
もし、今使っているファンがこのタイプなら、同じコネクタを備えたファンを選びましょう。
このようなファンでは、必要に応じてファンの回転数を調整します。そのため、より静かなPC利用が可能になります。
一緒に使いたい、ケースファン用のフィルター
ファンそのものとは関係ありませんが、ケースに新しいファンを取り付けるのであれば、ぜひファン用のフィルターも使いたいところです。
PCのケースファンは、PCの電源ONと同時に動き始めます。
そして、PCの電源がOFFになるまで休みなく動き続けます。
このように稼働している時間が長いので、空気中に舞うホコリやチリなどを想像以上にPC内部に吸い込んでしまうのです。
特にペットのいる環境やタバコを吸う人がいる場所でPCを使うなら、フィルターは必須です。
フィルターが1枚あるだけで、PCのケース内がきれいに保てます。
フィルターには洗って半永久的に使えるものから交換用のフィルターがセットになったものまで、いろいろなタイプがあります。
フィルターを装着することを前提に設計されたケースファンもあるので、チェックしてみると良いでしょう。
ケースファンは、PCの外側に近い部分で動くものです。
そのため、静音性能の違いが使用環境に少なからぬ違いをもたらします。
にもかかわらず、ケースファンはこれまであまり注目されてこなかったPCパーツといえます。
しかし他のPCパーツ同様、ケースファンも日々進化しています。
特にその静粛性には驚くものがあります。
もし、お使いのPCがちょっとうるさく感じているなら、ケースファンの交換が役立つかも知れません。
PCの冷却効率を高め、そしてPCを静かにするのにケースファンの交換は効果的です。
あまり費用がかからず、交換作業が難しくないのも嬉しい点。多くの方におすすめできるカスタマイズといえます。
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